笑顔の裏に努力あり!滋賀の空を見て泳いだ経験が世界に通じる
滋賀の空を見て泳いだ経験が世界に通じる滋賀のさまざまなスポーツシーンを紹介する「しがスポーツSTORY」。
第三回目は、2017年7月に行われた水泳の世界選手権女子200m個人メドレーで、日本新記録で銀メダルを獲得し、水泳界のニューヒロインとして注目されている大橋悠依選手の素顔に迫ります!
大橋選手に「県民スポーツ大賞特別賞」授与と「しがスポーツ大使」委嘱がされました
2017年9月6日、滋賀県庁を訪れた大橋選手。
玄関前で副知事や大勢の県職員、マスコミに出迎えられ少々緊張気味です。
この日は大橋選手の功績を称し、県民を代表して三日月大造知事より「県民スポーツ大賞特別賞」が贈られました
三日月知事が「大橋選手の活躍に勇気と感動をもらいました」と声をかけると、「メダルを持って地元に帰ることができて嬉しいです」と笑顔で答えていました。
初の世界大会!日本新記録!!銀メダル!!!
2017年7月、ハンガリーで行われた世界水泳女子200m個人メドレー決勝。
その大舞台で、日本新記録となる2分07秒91で銀メダル獲得という華々しいデビューを飾った大橋選手。
実は彼女にとってこれが初めての世界大会だったというから、さらに驚きです!
「メダルをとって地元がすごいことになっているよと、帰国前に聞いていたのですが、全然実感がわいてなくて…。日本に戻ると、想像以上にたくさんのメッセージが届いていて、すごく嬉しかったです」。
女優の竹内結子さん似の美女スイマーとして、あっという間に時の人となりました。
メダリスト北島康介を育てた名将に素質を見出される
彼女は彦根市出身。三姉妹の末っ子で姉の影響を受け、6歳から水泳を始めました。
そして、高校は県内のスポーツ強豪校、県立草津東高校へ進学。
高校2年のときに、日本競泳界のトップ選手を育ててきた名将・平井伯昌コーチに素質を見いだされ、東洋大学へ進学しました。
「『ゆったりと大きい泳ぎをするやつがいるな』と平井コーチの目にとまったことが、私の水泳人生で一番のラッキーだったかも」と話す大橋選手。
「平井コーチはひとりひとりの性格をよく見極めて指導してくれます。私にはあまり褒めてくれないけど、それで悔しがって力を発揮するタイプだってこともバレてるので(笑)。でも、本当にきついときには一番に気付いて声をかけてくれます」。
大学2年の時には原因不明の体調不良で思うように泳げなかった時期もあったそうです。
「精密検査で極度の貧血が判明して、鉄分を多くとるよう食事に気をつけると体調は回復しました。いまも、ひじきやホウレン草は多く食べるようにしています」。
体調の改善がみられると、また本来の力が出せるようになってきました。
世界水泳の前に、大学の1年先輩でもある萩野公介選手らと共にスペインで高地合宿に参加し、スタミナ強化に力をいれたことも今回の活躍につながったようです。
世界水泳に続き、7月に台北で行われたユニバーシアード大会では、女子200m個人メドレーで大会新記録で優勝!JAPAN競泳チームにその大会最初のメダルをもたらしてくれました。
素顔の大橋選手はどんな人?
華々しいデビューを飾り、今後の活躍に期待も集まる大橋選手。
湖国・滋賀を背負うアスリートとして「しがスポーツ大使」にも任命されました。
ここからは、そのインタビューの様子を一問一答形式でご紹介。
さまざまな質問から素の大橋選手に迫ります!
【Q1】好きな食べ物は?
「お好み焼き、餃子、焼き肉、お寿司、アイスクリーム…甘いものは何でも好きかな(笑)。泳ぐとカロリーをたくさん消費するので、練習が激しいときは1日7食のときもありますよ!」
すらりとしたスリムな体形からは想像もつきませんが、それだけのエネルギーを必要とするのでしょうね。
「お母さんが切り干し大根煮やハンバーグなどを冷凍して送ってくれるのが、すごくありがたいです!お好み焼きはどこのお店よりも、家で食べるのが一番おいしいです!」と表情を崩しながら話す大橋選手。母の味が力の源のようです。
【Q2】試合前に嵐の曲を聞いているとか?
「中学のころから嵐ファンです!なかでも『Make a wish』が好きで試合前にもよく聴きます。推しメンは大野君!やる気なさそうな顔して、大事なところはきっちり決めてくれるところが好きですね!」
今年のお正月には、嵐の聖地としても知られている栗東の大野神社に参拝に行ったそうです。
また、休みの日には嵐のDVDを見たり、チームメイトとカラオケに行くことも。そのときに歌う曲ももちろん嵐(笑)。
「欅坂46やAAAの曲もよく歌いますよ」。実は、欅坂46の「サイレントマジョリティー」のダンスが得意で、仲間から「マジョリーナ」というあだ名をつけられているそうです。明るい性格でチームメイトからも好かれている様子がうかがえますね。
【Q3】ゲン担ぎに「ひこにゃん」靴下を履いてるって本当?
「世界水泳のときもインカレのときもひこにゃん靴下履いてました!ひこにゃんも好きなんですよ。自分で買うこともあるし、親から届く荷物に入ってることも(笑)。先日、ひこにゃんから直接靴下をもらったので、それは国体で履こうと大事にとってあります!」。
【Q4】滋賀の思い出の場所はありますか?
「高校時代、毎週金曜の5.6時限目は体育科だけの特別授業で、学校から琵琶湖まで走っていました。すごく辛かったけど、それも今はいい思い出。その道を通りがかると、当時を思い出しますね」。
高校時代にファミレスで何時間も友達とお喋りしたこともいい思い出だそう。
【Q5】滋賀を離れて気づいたことは?
「東京では屋内プールが当たり前なのですが、滋賀県には屋外プールしかないんですよ。けっして良い環境というわけではないけど、私自身は外プールでパワーをつけてきたなと思うし、外プールで泳いだ経験はどこに行っても通用すると思います」。
背泳ぎを得意とする大橋選手にとって、天井に目印のない外プールはまっすぐ泳ぐもの大変だとか。
「でもね、プールの底から浮き上がってくるときに、空が見える瞬間がすごく好き!」ときらきらとした笑顔で話してくれました。
滋賀の空を見ながら泳いだ経験が、持ち前のゆったりと大きな泳ぎを育んだのかもしれません。
【Q6】現在大学4回生の大橋選手。卒業後の進路は?
「まだゆっくり家族と相談できてないのですが、競技は続けていきたいと思っています。競技をやめたあとも水泳に関わっていけるのが理想かな。水泳教室とかもやってみたいですね」。
【Q7】大橋選手を目指すキッズスイマーへアドバイスをお願いします。
「子どもの頃に漠然とオリンピックを夢みていましたが、まさか本当に手が届くところに自分がいけるとは!可能性は無限だと実感しているので、子どもたちも自分を信じて頑張ってほしいです。それと、私は水泳だけじゃなく勉強も頑張ってきました。ぜひ水泳と勉強の両立も頑張ってほしいですね」。
【Q8】最後に意気込みを。
「まずは2018年のパンパシフィック水泳選手権、そして2020年の東京オリンピックへと、ひとつひとつ積み上げるように結果をだしていきたいと思っています。もちろん金メダル狙います!」と力強く答えてくれました。
大橋選手が好きな嵐の『Make a wish』の歌詞に
『ほら道なき道も踏み出せば 新しいキセキ作れるから 迷うヒマはない 最後には きっと笑うさ Believe in your smile』とあります。
まさに、彼女の笑顔にはキセキをおこす力があると感じました。
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もっと大橋選手を知りたいかたは「しがスポーツ大使」の動画をぜひチェックしてみてくださいね!表情をころころと変えながら、よく笑い、よく話す、チャーミングな大橋選手の一面が見られますよ。
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